施工例

古民家洗浄アク抜き【長野県伊那市高遠 中村家様】レポート2 洗浄・薬剤散布

2011年11月12日
 長野県伊那市高遠の古民家「中村家」様にて施工させていただいているアク抜き洗浄は、11月5日より本格作業が始まりました。お施主様やご近所の皆さんに見守られながら、洗浄と薬剤散布を行いました。
洗浄(2回目)

ガラス取り外し

ガラスを割って外す 全撤去 清掃
 格子の裏側はガラス障子になっています。ガラス板は上に持ち上げて外す「けんどん式」ですが、取り付けから長い年月が経っていたことからすべて割って取り外すことに。新しい曇りガラスに交換することになります。

「けんどん式」=けんどん(慳貪)はもともと「けち・欲張り」などという意味で、蕎麦などを一人ずつに小分けして盛るのを「けんどん」と言ったそうです。これを出前するための箱を「けんどん箱」と呼ぶようになったことから、一般的に上下スライドするものをこのように呼ぶようになったようです。

洗浄(初回)

隣家境を養生 格子裏を養生 洗浄開始
 お隣り様や格子の裏側が濡れないように養生をしてから、ジェット洗浄機で表層の汚れを洗い落とします。
300年分のホコリを洗い流し 2階も洗浄 漆喰壁も
 この洗浄だけでもかなりの効果。白い漆喰壁ではとくに色の違いが分かります。

薬品散布

散布開始 早くも色が変わってきました 細かい桟の部分も
 塩素系の薬剤を木部に散布。刺激が強いので職人はマスクやレインウエアで防御します。
 散布後間もなく黒ずみが消えていきます。
薬品が浸み泡が出てきます ハケも併用 木目がくっきりと復活
 白い泡がわいてくるのが、薬剤が効いている証拠。美しい木目が見えてきました。
回を重ねて塗布 木部から白い泡がびっしりと
 まるでクリームのような泡が次から次へと吹き出して、犬走りに滴ります。

洗浄

 湧き出た泡をジェット水流で洗い流します。黒い水が次から次へと流れ出てきます。
 見学にいらっしゃったご近所の皆さんも「見違えるねえ」「さすが職人」と感心した様子。
 洗浄が終わったら、数日の乾燥期間をおき、ケレンや塗装などの次の作業に入ります。

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